綱引のすすめ





鈴小ジュニア綱引クラブ
たかが忘れ物
昨日の練習前

4年生君が「シューズを忘れた」と
…理由や言い訳はあるのでしょうが…
 
「わかった、今日は見学な」と厳しいようですが、つき離し。

体操が始まりましたが、座って見学をしている4年生君。
見かねたお母さんコーチがシューズを貸し
(この行為は優しさではなく甘やかしです)

練習に参加しようとしたので
「あかん、人の物を簡単に借りて参加するな」と…

泣きながら、またもや見学。
お母さんコーチ又々見かねて、その子の自宅へ連絡を入れ
シューズを持って来てもらうことに。
(この行為も甘やかしです)

しばらくして、4年生君のお母さんがシューズを持って練習場所へ

4年生君シューズを履き
私のもとへ来て
「すいませんでした」と

「…?お前、それは謝る事ちゃうで
 謝るんやったら相手間違ってるんとちゃうか
 誰に謝らなあかんかわかるか」

「…かあさん…」    

「そらそうやろ、お母さんに、ごめん、ありがとう、って言うたんか」     

「…」
お母さんコーチがお節介をやかんかったら、叱られんですんだのに…

「なんで、ありがとうの一言が言われへんねん。
 別にシューズ忘れたんやったら、見学しとったらええねん。
 そんな事で叱りもせんし、怒りもせんわい
 忘れ物なんか誰でもするんやから。 
 ただ忘れた事は自分の責任やから、その責任をとったらええだけやろ」

「…」

「ここで、まぁええわぁって参加を許すと
 お前、大事なシューズを忘れた事も
 その時の気持ちも
 チームメイトが練習してるのをただ見とかなあかんかった時の気持ちも
 お母さんへの感謝も、全部“なかったもん”として
 参加してしまうんとちゃうか。
 だから、お母さんに、ありがとうが言われへんかったんとちゃうか」

泣きながら黙って聞いていた4年生君、さらに泣きながら

「かあさんに…ありがとう…いう…」       

「その場しのぎの形だけのありがとうじゃあかんぞ、
 そのあとの方が大事なんやで」          

「はい…」

「お母さんに感謝しろよ。体操して入れ」

手をさしのべるだけが、優しさではありません。


練習を終え、宿題を抱えて帰った4年生君
きっと、照れながらも「ありがとう」と伝えた事でしょう。

常日頃から子供達に
「宿題終わってから練習参加、自分の事は自分で」と言っています。
だから忘れ物をするのは、誰のせいでもなく、自分自身のせいです。 

“たかがシューズを忘れた”
だけなんですが4年生君には考えてほしかったのです。


小さなクラブチームでも
マイノリティな競技でも
子供達が集う場所は、教育現場だと思っています。

勉強を教える場所だけが“学びや”ではありません。

「学ぶ」「考える」「思う」そして「変わる」

私自身学校教育では、ほぼ見捨てられていた存在でしたし
専門的な児童教育や児童心理学を学んだわけでもありませんが

子供達が「学ぼう」そして「考えよう」とすることが
唯一の児童教育じゃないかなぁと思います。


高い所から、もの言うわけではありません。

自戒を込めてそう思います。
| 鈴小Jr監督 | 雑記 | 22:17 |
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