「兵庫県伊丹市から来ました鈴小ジュニア綱引クラブです。
明日は、記録より記憶に残る試合をしたいと思います。
宜しくお願いします」
これが、アウトドア大会前日に行われた
選手交流会用 スピーチの原文です。
たったこれだけの文章を…
我らが、鈴小ジュニア綱引クラブを代表しスピーチをしたのは
唯一の6年男子 シュウセイ
Nコーチからは
「今大会のキャプテンはお前やねんから」と煽られ。
緊張のため顔色がなくなり
無言のまま、バイキング形式の夕食も喉を通りません。
「まぁ〜、なんやかんや言いながらも、決める時は決めてくれるやろう」
と思っていたのですが…
ついに・・・
ビビリ度マックスの シュウセイ が檀上に立ち…
そして、マイクの前に・・・
「……ひっひょうご…ひょうごけんいたみしからきました…
すずはら…えっ?…あっ!・・・すずしょう…じゅにあつなひきくらぶです
…えーっと…きおくにのこるしあいをしたいです。」
ちょこっと頭を下げ、逃げ帰るようにみんなが待つテーブルへ。
チームメイトから拍手で迎えられ
「俺はやったぞ〜!」っと「終わったぁ〜」が入り交じった
生意気な表情してやがる。
その表情、ちょっと待て!
「おっまっえ〜
原文を飛ばしてスピーチするのはしゃぁないわい
全文ひらがなでスピーチしたのも許したる
オプションで用意されていた言葉なんか入るわけないと思ってた。
そんなことは全然かまへんわい。
せやけどな、せめて‘我がのチーム名’ぐらい
間違わんと言われへんか!なっさけない」
しかしマックスだったビビリ度と緊張が解けたおかげで
「むしゃむしゃ」料理を食ってるシュウセイには・・・
全く届かない嘆き。 トホホ…。
ヤツには 「胆」 と言う言葉を贈ります。